SUEMARR "Old Note"  ( 2005 - 2007 )

フラメンコギター -2-(8月4日) 2005/08/06



すっかり地下に潜った東横線横浜駅は
ホームの空気も濁っていた。
蒸し蒸しした外を歩きたくない二人は
駅から一番近いモアーズの8階にあるKサワ楽器へ。
マー○ンの正規代理店ではあるが、どうも周りの友人たちには人気がない。
でも横浜ではここなら沢山のクラシックギターがあるはずだ。

エレベーターで8階に行くと目の前に沢山のギター見えてくる。

「アントニオ・サンチェスというスペイン製のがいいらしいのよ。」

マミーはインターネットですでに調べあげていた。(さすがだね)
行くとずらりとアントニオ・サンチェスが並んでいた。

「あったあった。」

すると見た目の若い真面目そうな店員が近づいてきた。

「お探しのものはありますか?」

「うん。このアントニオ・サンチェス。」

「これなんて如何でしょう?サイズは65センチで優しい音ですよ。」

どうやらクラシックギターにはサイズが3種類程あるらしい。
マミーが弾いて、オレも弾いた。
確かに柔らかく優しい音だった。

「松の木を使っています。一般的なクラシックギターですよ。」

サイド、バックはマホガニーか。マホガニーは優しい音がする。
もう1種類も弾いてみた。
トップが松の木とサイド、バックはローズウッド。
音の響きがハッキリしている。
サイド、バックの木の違いは
こんなにも音に出るということを実感する。

マミーが迷い始める。そりゃそうだね。
するとマミーがもう1本違うギターを指さして言った。

「あれは色が違うけど、どうなのかな?」

確かに今までの2本とは違いトップ、サイド、バックが
同じ黄オレンジのような色をしている。店員が言った。

「これはフラメンコギターですよ。
 コードの響きがハッキリしているんです。
 (ジャララン!ジャラララン!)
 でしょう?  それと弦高も低めで押さえ易いです。
 ただクラシックを弾くには少し音が硬いんです。」

トップは松の木、サイド、バックはシカモアという木材を使っている。
弾いてみた。
確かにコードの響きが気持ちいい。
アルペジオで弾いてみても、柔らかさは少ないけど、
音に飽きがこない気がした。

「もしオレだったらフラメンコだね。それにこの色。結構好きかも。」

「そうそう色が可愛い!他の2本はなんか暗いもんね。」

「音はどうよ?」

「最初は柔らかい音が気に入ってたんだけど、でもアタシは本格的に
 クラシック音楽やるわけじゃないし。このフラメンコの音は好きだな。」

「いーね。んでどーする?」

「買う。いいの見つけた!」

帰りの電車の中でマミーが言った。

「クラシックじゃなくてフラメンコってのがかなり気に入っちゃった。」

「あはは。オレも思った。マミーがフラメンコギターを買いました。
 っていうタイトルだけでおもしろいよ。」

そして東白楽から汗を拭きながら歩いて
二人はそれぞれの家へと帰った。

そんなわけで、



マミーがフラメンコギターを買いました。



(マミーは花魚-hanauo-という2人バンドのギター&ボーカル。オレの大好きなバンド。
 そしてご近所さんであり、大切な友達である。)


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