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随分と長い間
顔が見れなくても
近くに感じる人は
いるものなのである。

遠く離れた地から
届く短い言葉と風景。
それだけで
救われたりすることも
あるものなのである。

言葉は
短ければ短いほど
海を超え
山を超え
意味を超え
自分の中で
生まれ変わる。

その人の生き方が
気になったりもするし
気にならない時もある。
そのちょうど良さが
なまぬるい響きを
生み出してくれるのである。

これまで自分が
生きてきた時間の中で
幾度
温かいコーヒーが冷めたことか。
ワインを冷やし忘れたことか。
すべては自分がしてきたことであるから
受け入れられるのである。

なまぬるい
ワインやコーヒーが
好きなのは
そのせいなのか。
ちょっとした一言が
ぴたりとはまる。

随分と長い間
顔が見れなくても
近くに感じる人は
いるものなのである。

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