SUEMARR "Old Note"  ( 2005 - 2007 )

喫茶ミケネコ舎 2005/09/23





9月22日 木曜日

予想より仕事が早く終わった。
仕事仲間と別れてギターを担いで歩き出すと
サラサラと霧雨が降り始めた。
しかし今日は珍しくすべてが順調だった。

フィドルの山ちゃんとの待ち合わせ時間よりも
かなり早く下北沢に着いたので独りでぶらつく。
雨は止んでいた。スズナリ方面へ歩いた。
途中を曲がって古着屋に寄ってベルトを買った。
実は今日はベルトをし忘れて来てしまった。
私服のズボンに履き替えた時に気づいた。
ズボンのサイズも違うが、気づかないくらいだから
かなり体型にも問題が生じている
ということだ。

古着屋から茶沢通りに出る前辺りに
古めかしい建物があった。
中古家具を売っている店だった。
その端っこに小さな看板が出ていた。
「喫茶ミケネコ舎・露崎商店二階上ル」
脇ノ階段ヲ二階へ上ッタ。

小さな洋服屋さんがいくつか並ぶ
狭い廊下の先を行くと喫茶ミケネコ舎はあった。
入ると客は誰もいなかった。
店の若い男性と女性の二人が笑顔で迎えてくれた。
察するところおそらく御夫婦。
店内は照明よりもガラス窓から入り込む
外の光を頼りにしたような明るさ。
そんな明るさが似合う椅子とテーブル、壁にガラス窓。
そんな明るさがオレは好きだ。

いちばん奥の隅の席に座った。
コーヒーを頼もうと思ったが、
気が変わって自家製梅酒を頼んだ。
グラスには梅酒に氷。
そして大きな梅の実も入っていた。
自家製梅酒をちびちび飲みながら、
今夜歌う曲をゆっくり考えた。
ゆっくり考えたのは久しぶりだった。
新しい歌がけっこうあった。
まだ人前では歌っていない歌。

歌ってみるかな。

今夜歌う居酒屋「ZIG ZAG」はそんなことが試せる場所だ。

煙草を吸いたかったが。
建物が古い木造だからだろうか。
でものんびり落ち着ける場所だった。
今度来たらコーヒーを飲んでみよう。

ミケネコ舎を出て駅の方へ歩いた。
駅に近くなるにつれて人が増えて賑やかになる。
ふと思った。

歌う場所はまだまだありそうだ。



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