俳句を詠むことは出来ないが、俳句を読むのは大好きなのだ。

 さびしさの底ぬけてふるみぞれかな 
                 丈草

丈草は幼くして母親を亡くし、二十代半ばで病弱のために遁世
した。声を張り上げても、誰にも届かない「さびしさ」をみて
いる人だった。

人にこころがあるなら
いつか水のようなさびしさが
満ちるだろう
その片口のようなこころのうつわ
その底が抜けてしまって
今朝の夢は霙がふりしきる
夢だったのかもしれない

このような歌詞を書いてみたが、俳句には遠くかなわない。


___________________________中原蒼二(ヒグラシ文庫主人)